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配本開始まで 連載第7回


10.10.4.   At Sendai No 1 (長田出張)(注: 今回も①から⑲まで、小宮へ)
 
仙台。  要件、 解説  対策、残務

① 解説
   校正   スミ
   位置   巻末
   組み方  可
   柱   解説トダケ。


②  森田さんの事。

  月報の事。
    小宮: 内容的に困るが致し方あるまい。四行削る事。 


     内容見本広告の事
     小宮: 發表広告方法もとより異存なし。   
     小宮の補足: 二タ通りの解釋が可能なやうに文章にしておくといふ。
 

 ③ 口絵の事。第一回分即決。
     小宮: 全体に亘つて夜に入つて通覧ズミ


 ④ 坑夫の事
     
      紙型版の價値
      小宮: 恐らく大朝(注: 大阪朝日新聞のこと)で社員に分かつたものらしい。

      大朝東朝差。
      小宮:(補足注: 大阪へは東京の)ゲラをまわすのが原則であつた。

      脱落一行の事。
      (小宮: 入れる。)

      すべて東朝を原則として一応紙型版は見る。ルビとか送
   り假名とか一々は紙型版による事をしない。
      尚はたして紙型版が大朝のものなりやたしかめる事。


(注: なお、ここにある「紙型版」については、この全集月報第一號、の最後のページ「校正室より」に詳しく説明されている。同15頁に冩眞掲載。漱石資料の所蔵家としてその名前がひんぱんに登場する、鎌倉幸光氏が、大阪版紙面を元に作製したとされるもの。)


⑤    偶数頁  柱の問題  小見出一切やめて  年数丈を入れる
                                            俳句 日記 断片 書簡 續書簡
      行人 彼岸過迄  文學論 文學評論
      小宮: 入れない。サンセイ 決定


⑥  句  等秋の句について書簡345頁の虚子あて。
      小宮: それが即ち等秋中の句についての事である事
     

⑦  松根さん 季題別の事
      小宮: 小宮先生から手紙書く。


⑧  國語と國文學 十月號 成瀬正勝氏「それから」
      小宮: とりよせて(注: 小宮へ)お送りする事


⑨  索引の排列 表音引か 歴史的假名遣か 
      小宮: これ(注: 歴史的假名遣)による。但し全集へ排列せずに書いた順序に重ねておく。一語一枚としてタブラセテおく。松岡氏へ廻すこと。


⑩  布川君持ちゆきの新資料の事
      小宮: 再調のつもり。


⑪  書簡 封筒なしのはその欄は如何
      小宮: 〔封筒なし〕とやつておく。


⑫  幻影の盾の序出所未詳。單行本になし。ホトトギス丈か。
      小宮: 單行本ですでに脱した事として(本文の前に入れる、)ホトトギス丈、


⑬  残りの俳句五句(10.9.21 仙台出張の際の未詳分 )
      小宮: 未だ觸れず。


⑭  行人 扉の年代の出し方 中絶 連続 二段にするか
      小宮: 二段にする。


⑮  書物展望
      小宮: アトお送りする事


⑯  思想  十五日迄でよいから是非。
   小宮: 本よみの都合によつて、やれたら。


⑰  古川久氏(虞草 心 道草 はよし。)
      矢本貞幹氏(文學論 文學評論 はよい。)
      (各一と揃い御送りする事)


⑱  深田あささん(注: 夫人)へ御願ひして 庫算先生へ
      の書簡をさがして頂く事。         (スミ、ナシ)


⑲  十一月三日に親類の結婚式。二日か三日に店へ。 
   十一月二十一日に又行く、小宮先生
   (上の小宮のスケジュールは、すでに 10.9.24  掲載の小宮から森田草平への手紙の中で述べられている。) 


10.10.5.

○ 解説を本文の後につけて 第一回分 八四六頁となる。
  頁数を飯山さんから藤森さんに通告する。


10.10.6.


10.10.7.

○ 狩野先生に扉の字の御都合をうかゞひに行く。  
    「まだ出來てゐない。忙いので書く氣が出ない
  書き出せばすぐなんだが…」 「二三日中に書きます」
    と。背文字の「總索引」 も書いて頂くやうに。
    るすに頂いた「巻数」の字を見本に持つて行き
    置いて來る。


○ 文藝放談 十月號 称未發表 漱石の「生
  徒に与ふる可書」 掲載誌を森田草平氏に送る。


○ 國語と國文學 十月號 「それから」 について
    成瀬正勝氏の書かれたもの を小宮豊隆先生
    に送る。
   
   
○ 一回配本分口繪(冩眞)一枚 〈注:このあと 半を消して版としてあるが無論誤記。 半 が正しい。〉(半)七に渡す。 巾二寸五分(三寸八分)
〈注: 「半七」とは、田中半七製作所のこと。今後ひんぱんに出てくる。〉


10.10.8.


○ 堤 仙台へ電話をかけて月報巻頭の文章
    をお願ひする。明日はコーギ 明後日は教授会で、
    木曜日の夜か、その次あたり送る。との承諾
    を得。


△ いつも巻頭はその配本に因む文章の書
  き下しを一篇おいて、あといろいろの資料や、
  冩眞をおき次に森田さんの頁をおくのを
  原則とする。最後に店の広告。
     
△ 虞美人草の口繪は三枚に止める事。
  あと十一月三日にいらした時きめて頂く事。たとへば
  心 道草 は色刷の外五枚もあるし、まだ決めて
  頂かなかつた單色の五枚もある事等申上ぐ。
  口繪の事は一切 十一月三日 いらしてから。


△  小宮先生の手紙を届けに 松根東洋娍氏を訪問。
  開(封)筒前から季題別の話が出て、先達、使の人が來て、長田さんが
    届けろといつたから 届けますといひ、 お願いしますといふ
    事をいはなかつた。あの席できまつたのでもなし、その後小宮
    にも誰にもあはないので どうなつてゐるのかしらないが あれをやると
    すれば當然責任をもたなければならないのだし、仕事の性質上
    當然漱石全集刊行会から依頼があるべきだと自分は
    考へてゐる。届けるといふから預つてはおいたがその後 使の人から
    も長田さんからも何もいつて來ない。外に自分のしたい事が
    させられなくて不平に思つてゐる人もあるので、筋の立つた頼
    まれ方をしなければ手をつけるわけにはいかない。
    小宮から何かちよつとひつかかるやうな事(俺が頼むといはな
    ければ君はしないのか) をいつて來てゐるが とにかく 漱石門下では
    自分は俳句の専門家だしするから引きうけよう。小宮にも
    返事を出すから 長田さんにもよろしく云つてくれ。と、
    漱石俳句集の・いきさつも話された。
    季題別期限の事はいつて來なかつた。
   
   
○ 先生と自分とでやりかけた連句がある。形をなさないで
    終つたので全集には入てゐなかつたと思ふが 自分の雑誌
    には載せたやうに覚えてゐる。断簡零墨も入れる
    のなら、入れてはどうか、覚えてゐてくれ、と               

○ 子規の方もよく調べて見たらいいだらう、と。

○ 森田草平氏に 書物展望 三冊 送る。